“宝塚の佐藤二朗”!? テレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」出演で話題の元タカラジェンヌ初のエッセイが4刷出来!
天真みちる『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社)
テレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」(6月28日放送)に「宝塚歌劇団にトップスターを目指して入団したのに、ひたすらおじさん役をやり続けそのまま引退した人」として元タカラジェンヌの天真みちるさんが出演。
“角刈りジャンピング土下座おじさん”、“常に半目の右大臣”など癖の強いおじさん役を極めた天真さんは「宝塚の佐藤二朗」と紹介され注目を集めました。
そんな天真みちるさんが宝塚音楽学校受験時から退団までのエピソードを綴ったエッセイ『こう見えて元タカラジェンヌです』の4刷が決定、累計発行部数1万7000部を突破しました。
番組で紹介された音楽学校時代のくすぶりエピソードやタンバリン芸を極めたエピソードはもちろん、宝塚時代の爆笑秘話が満載!先輩トップスターと思い出など、知られざる宝塚の舞台裏も綴られています。
*本書収録エピソード
- 「あなたには、脇役のトップスターになってほしい」
入団してからずっと、「演じてみたい役」と「最初に目指すべき方向」の違いに戸惑っていた。
非の打ち所のない二枚目を研究していくよりも、クセのあるおじさんの方がすぐに目に浮かぶし想像できるし掘り下げてみたい気持ちが強くあった。自分に与えられる役に「おじさん」が増えてきている今、自分から、「こういう役が得意です」とアピールするのも良いのではないか……。でも、この段 で面舵一杯振り切らなくても良いのかもしれない……答えの出ない日が何日も続いた。
そんなある日、劇団の上層部の方と話す機会があり、今後の自分について今抱えている思いを伝えた。
すると、当時の常務理事が、「あなたには、脇役のトップスターになってほしい」と、私に仰った。
そうか……脇役のトップスターか……。
あの日猛烈に憧れた存在と、今自分が表現できる精一杯の存在。自分の中でパズルのピースがしっかりとはまった。
その日から私は脇役のトップスターとなるべく、前へ進むことを決意したのであった。 - タンバリン芸を極める
この日から、ゴンゾーさんのタンバリン芸の研究が始まった。
最初に披露したのは、2011年『カナリア』の東京公演の打ち上げだった。公演で最も激しいナンバーに乗せ、一心不乱に叩き狂った。
ウケが良かったので、正式な「ネタ」として採用し、次の宴会のメインとして、タンバリンを使って激しく踊った。
今まで余興を披露してきた中で一番ハネた。
そこから、右手には必ずタンバリン。
鞄には、お財布、携帯、タンバリン。
東京への荷づくりをする際も一番先に確認するのはタンバリン。
私とタンバリンは切っても切れない関係になっていった。 - 役作りを極めすぎて職質される
ブルーザーを演じるにあたり、次に悩んだのは「髪型」だった。
出会い頭に「コイツはヤベえ……!!!」と思わせるインパクトが欲しい。
その結果、
「ツーブロックにして、センターの髪をスプレーでガッチガチに固めればモヒカンになるのではないか」
という答えに辿りついた。
(美容室の帰り)
「ちょっと、そこの人」
と、突然 後から呼び止める声がした。振り向くと、自転車を手で押した警察官3名が立っていた。
そして彼らは、私に、
「今ねー、安全週間でパトロール強化してるんだけど、君普段何しているの? てか、君、その両手で抱えているものは何 ?」
と、一見朗らかに、なのに高圧的で反抗する余地を与えないような声で聞いてきた。
人生初の、警察官のお声掛け案件だった。
私が両手に抱えていたもの……それは、その頃ハマっていた「キャベツ1玉」だった。
ぜひこの機会に取材やご紹介などご検討いただけましたら幸いです。
本書に関するお問い合わせは下記にお願いいたします。
*書誌情報
『こう見えて元タカラジェンヌです』
著者:天真みちる
定価:本体1,870円(税込)
使用:四六判並製/288ページ
刊行年:2021年3月31日 第一刷発行
ISBN:978-4-86528-013-5 C0095
内容紹介:清く正しく……おもしろく!?
100年以上の歴史を持ち「清く、正しく、美しく」をモットーに女性たちが歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、角刈りの車引き・モヒカンのチンピラ・麻薬密売人などクセの強いおじさん役で唯一無二の存在感を発揮した名コメディエンヌ「たそ」の姿があった……。
一次敗退の翌年のタカラヅカ合格、先輩スターに囲まれ興奮の入団と次々にのしかかる試練、奇跡のSMAP×SMAP出演で「タンバリン芸人」になったエピソードなど、音楽学校入学から宝塚歌劇団卒業まで15年の月日をコミカルに描く。
「宝塚に新ジャンルを築いた」と言われた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。